アイデア優秀賞受賞者に金一封渡した場合でも給与課税しなくていい?

金一封

Q 弊社は製造業を営んでします。年に一度、製造ラインの効率化や商品の品質向上について良いアイデアを募集し、その優秀賞受賞者に対して、表彰式で表彰し、上位から順に金一封を現金で渡しています。会社の経費で落とし、従業員の給与としなくてよいでしょうか。

A 給与課税をしなくて良い場合があります。

 原則としては、社内の表彰規程に基づいて、表彰金を支給した場合、その表彰金は給与に上乗せして、源泉所得税の課税をする必要があります。これは現金の代わりに商品券や旅行券を渡した場合も、現金で支給したものと同様に給与として取り扱われます。

 ただし、給与課税しなくてよい場合があります。

 所得税基本通達には「その者の通常の職務の範囲内の行為である場合には給与所得、その他の場合には一時所得」と書かれています。

 通常の職務の範囲内????

 普通、会社が作る商品の品質向上って完全に仕事じゃねぇのかよ!と思ってしまいますが、さにあらず。
 この場合は、例えば、品質向上を職務にしている研究開発チームの従業員が品質向上のアイデアを出すのは仕事だから給与ですよってことなんです。
 てことは、製造ラインで働く従業員は商品製造することが仕事で、製造ラインを効率化することが仕事じゃないから、給与じゃないことになります。

 私が源泉所得税の調査部隊にいた頃は、「業務時間中にそのアイデアを出したり、まとめたりしていればそれは仕事でしょ」と言って、給与課税していました。

通常職務外のアイデアで、業務時間外にやっていれば給与課税されない

 こうした点に注意すれば、こうした報奨金は給与(源泉所得税)課税しなくて良い、つまり一時所得という扱いで良いことになります。
 一時所得なら20万円までなら確定申告の必要なし、税金支払う必要なしです。
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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