マイナンバーカードを作るべきか?

マイナンバーカードとキャッシュカード

Q 最近私の周辺でもマイナンバーカードを作ったという人が増えてきました。マイナンバーカードを作るべきかどうか迷っています。今から作った方がいいですか?

A 考え方によりますが、これからの施策を見ると、今作っておくメリットはあります。

マイナバーカードを作るか否かを迷っている人、多いですね。
これまでの普及率は50%(2022年10月25日現在)、まだ国民の半数が持ってない
これまで絶対持っておかないとっていうメリットがほとんどありませんでした。
マイナンバーカード普及率

これまでのメリット

敢えてこれまでのメリットを挙げるとすると

  1. 住民票などの各種証明書をコンビニのコピー機で取得できる
  2. ネット(e-Tax)での確定申告が可能
  3. 顔写真付き身分証明書として利用できる
  4. マイナポータル(情報提供等記録開示システム)を利用できる

1の住民票や印鑑証明が必要な機会はそんなにないでしょうし、2は確定申告しないサラリーマンには関係がない。
4、5は「なんじゃそりゃ?」という感じですよね。

では、近ごろ開始されたサービスと今後予定されているサービスを見ていきましょう。

今後のメリット

  1. 会社員の社会保険・税手続のワンストップ化(2020年10月から実施済)
  2. 健康保険証・お薬手帳として利用できる(2021年10月運用開始)
  3. ハローワークカードとして利用可能にする(2022年以降運用開始予定)
  4. 各種納税手続のデジタル化
  5. 社員証・学生証として利用可能に

など
まず、挙げられるメリットとしては、年金と税金

社会保険(年金)と税

マイナポイント第2弾(最大2万円もらえる)のインパクトはかなり高く、発表から1年でマイナンバーカードの普及率が10%以上も伸びました。
一定の効果があったと言えるでしょう。
ただ、これは起爆剤ですから、これから継続的にメリットを受けられ、すでに施策が走り出しているものとなると、社会保険(年金)
と税金ということになります。

年金

年金関係ではすでに、基礎年金番号が分からない場合であっても、マイナンバーカードを提示すれば相談できたり、各種届出・申請についてもマイナンバーで行えるようになったほか、住所変更届や氏名変更届の届出が省略できるようになっています。
また、各種届出・申請時に必要としていた課税証明書などの添付書類等が省略できるようにもなりました。
基礎年金番号なんて覚えていないって方も多い中で、これは便利です。

税金

さらに、所得税関係ではサラリーマンが毎年行っている年末調整や確定申告で、便利になります。
2020年10月から、
毎年年末調整で行っていた、保険料の控除の手続きも、住宅ローンを組む際に必要な課税情報の申請も、マイナポータルからオンラインでできます。
これまで、「生命保険会社からの控除証明書のはがきが見当たらないんですよ~」とか「住宅借入金等特別控除証明書、失くしちゃいました」なんていうこと、ありましたよね?
これからは、マイナポータルからデータで受け取り、年調ソフト(国税庁が無料配付しているソフト)で勝手に計算してくれるので、楽ちんです。
そして、何より便利なのは、マイナポータルを使うと、氏名・住所・扶養親族などの控除申告書のデータは翌年以降も引き継がれるということ。
サラリーマンにとっては、毎年の面倒な恒例行事が減るっていうのはありがたいですよね。
このあたりを詳しく知りたい方は、「令和3年分年末調整の電子化 完全マニュアル」をご覧ください。

健康保険証・お薬手帳

次に、健康保険証やお薬手帳。
現在は、保険適用で病院の診察や手術を受ける場合、それぞれの健康保険組合などが発行する「国民健康保険被保険者証」というカードを持っていく必要があります。
また、これまでに自分が服用してきた薬を記録する手帳である「お薬手帳」をお薬処方の時に持っていけば、副作用のリスクが減らすことができるだけではく、わずかですが薬の代金(管理指導料)が安くなる場合があります。
この健康保険証・お薬手帳がマイナンバーカードと一体化できるようになります。
「マイナ健康保険証」は、2021年10月20日から本格運用が始まっています。
今後は病院にマイナンバーカードを持っていけば受診の際に健康保険証を提示する必要はなくなり、受付に設置された顔認証付カードリーダーにカードを置くだけで、本人確認と保険資格の確認が瞬時にできるようになります。
マイナ健康保険証 カードリーダー
さらに、過去に処方された薬や特定健診等の情報をいちいち医師に伝える必要がなくなりますし、ご自身でも、これまで処方された薬の情報をマイナポータルから引き出せるようになります。
加えて、確定申告で医療費控除をする方は医療費の領収書を保管する必要がなくなり、マイナポータルで管理された医療費情報で確定申告ができ、所得税の還付を受けることができます。

将来的には過去の診療情報や感染症の予防接種の記録もスマホのアプリから見ることができるようにする構想のようですね。
実現すれば病院の診察券、「お薬手帳」、手術歴など多様な情報がカードを使って確認可能になります。
患者が便利になるだけではなく、医師側が過去の治療歴を見て診察できるようになれば医療の効率化にもつながりますよね。

2022年5月、政府は健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードを保険証とする「マイナ保険証」の利用を促進する方針を発表しました。
病院では現在、半導体不足でカードリーダーが準備できておらず、利用環境がまだまだ整っていません(全病院の30%程度)が、今後加速していくでしょう。

お国に管理されるのは絶対ヤダという方は

こんな誘導策に騙されへんぞ!最終的には国民を管理しようとしているんだから、それこそがデメリットじゃないのか!
騙されへんぞ!

まぁ、そう考える人はカードを作らなくていいでしょう。
そもそも国は、国税と地方税と社会保険で国民を一元管理したいという考えでマイナンバーカードをスタートさせたのです。

公式には
①公平・公正な社会の実現
②国民の利便性の向上
③行政の効率化
が目的とやんわり言っていますが、要は税と社会保障の一元管理が目的です。
マイナンバーカードの目的

反対する人は、「行政機関などから個人情報が漏れるじゃないか!」と言っていますが、私はそれは建前で、「国に管理されたくない、個人の金の流れや税、社会保障をガラス張りにされたくない」というのが本音だと思っています。
「所得や金融資産をできるだけ国に把握されたくない」
「迅速に様々なサービスを受けたい」
マイナンバーカードを作るか作らないかは、あなたにとって、この天秤でどちらが重くなるか、と言い換えられますね。
マイナンバーのメリット・デメリット

他の先進諸国は、個人の情報を完全に紐付けており、だからこそ、今回のコロナ禍でもあれほど早く個人口座への送金が完了できたのです。
あくまでも私見ですが、日本はもっと早くITを推進すべきで、マイナンバーカードもやるなら徹底的にやるべきだったと思っています。

普及への流れは加速する

2020年6月に当時、官房長官であった菅氏は「コロナを巡り社会全体のデジタル化がいかに重要であるかを改めて認識した。年内に工程表を策定し、できるものから実施していく」と発言しました。
これを受けて、政府は「2022年度までにほぼすべての国民にマイナンバーカードを交付する」という目標を打ち出します。
その発言をした菅氏が総理大臣になり、各省庁がバラバラに行っていたシステムを一元化し、全て繋げる作業をやる!と宣言します。
平井デジタル相と菅首相
デジタル改革関連法案準備室の立ち上げ式で、記念撮影の際に中央を平井デジタル相(左)に譲る菅首相

先ほど触れたマイナンバーカードの活用分野は税金や医療だけではなく、引越しや死亡の手続きもワンストップでできるような形を目指しています。
例えば、引越しする場合、転出元・転出先の市役所や金融機関などで、
しなければならないことは結構多いですよね。
マイナンバーカード 引越しワンストップ
めちゃくちゃ多い!
これだけあると、必ず何か抜け落ちますよ笑
これら全てではなくても、マイナンバーカードである程度一括処理できたら、それは楽ですね。
家族が死亡した時も気が動転しているのに、やることは山ほどあります。
死亡届や銀行の口座停止、生命保険会社への連絡、健康保険・遺族年金の届け出などなど。
これらも一括で終わらせられると非常に助かります。
現在、自治体などで実証実験中ですから、近い将来マイナンバーカードを使って、ワンストップでできるようになるでしょう。

運転免許証と一体化へ

2020年10月16日、小此木国家公安委員長は、河野規制改革担当大臣、平井デジタル改革担当大臣と会談し、運転免許証のデジタル化などをめぐり意見を交わしました。
この会談後に発表された方針が衝撃的でした。
運転免許証の情報をマイナンバーカードのICチップに登録して一本化する。
住所変更などの手続きもワンストップ化され、住んでいる地域以外でも、更新手続きが可能になる。
早ければ2024年に、マイナンバーカードと免許証を一本化する仕組みを導入する。」
運転免許証は、国民のおよそ65%にあたる約8,200万人が保有しているわけですから、もう無理やり導入です笑。
その他にもワクチンの接種証明書やコンサートのチケットの代わりにマイナンバーカードを使えるようにするなど、様々な取り組みが進められています。

マイナンバーカードでできること

マイナンバーカードを巡るこうした動きを加速させるための省庁デジタル庁」が、2021年9月1日創設されました。
デジタル庁発足
「デジタル庁」とは、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指すために新たに作られた組織。
600人体制で始動し、うち200人は専門能力を持った民間人を採用しています。

日本が目指しているのは、IT先進国エストニア。
日本人にはあまりなじみのない国かもしれませんが、Skype(スカイプ)発祥の地で有名です。
この国では、e-IDカードで結婚、出産、引越し、税務申告から投票までこれ一枚でできるというのですから、驚きでしかありません。 

日本ではコロナワクチンの接種を巡って、予約方法、順番、キャンセル時の取扱いなど混乱を極めました。
中国を賛美するつもりはありませんが、コロナワクチンの接種対応でも中国にリードされているのはなぜでしょう。
中国では、中国版マイナンバーカードである「国民IDカード」の全国民への登録・所持を1980年代から取り組み、現在ではそれが徹底できているから。
このカード1枚で、位置情報からワクチン接種までオンライン上で連携できますから、非常にスムーズに接種が進みました。
対する日本は、マイナンバーカードの普及が進まず、隣接する市町村のデータ連携すら出来ていません。

世界を見渡すと、マイナンバーカードが銀行口座開設の条件となっているなど、マイナンバーカードは、もはや重要なインフラの一つなんですね。
これは電子化をしないと行政コストが増え、ひいては税金に跳ね返ることをみんなが認識しているから。

ついに事実上の義務化へ

2022年10月13日政府は、現在使われている健康保険証を2024年の秋に廃止し、マイナンバーカードへ一体化した形に切り替えると発表しました。
また、運転免許証との一体化の時期についても、当初予定していた2024年度末から前倒しする方針も示しました。
マイナ健康保険証導入へ
NHK NEWS WATCH9キャプチャより引用)

日本は国民皆保険ですから、紙の保険証が廃止となると、全員マイナンバーカードを作らざるを得なくなります。
政府は、廃止の時期が来てもマイナンバーカードを取得しない人などに対しては、働きかけを進めていくと同時に、何らかの対応を検討していくとしています。

マイナンバーカードの申請を躊躇する大きな理由は
●個人情報漏洩が心配
●メリットがよく分からない
の2点。

政府がすべきことは、マイナンバーカードが便利だよ、作ったらポイントもらえるよと広報するだけではなく、国民に対してマイナンバーを知られると危険だという誤解を丁寧に解くこと。
それとともに、「マイナンバーとはどのようなもので、どう活かし、どう規制するか」といった共通認識を国民との間でもっと醸成する努力をしてほしいと、私は思います。

問い合わせ 入口基本ver 辻元税理士事務所
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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