マイナンバーカードはこれからどうなる?

マイナンバーカードとキャッシュカード

Q 最近私の周辺でもマイナンバーカードを作ったという人が増えてきました。運転免許証との一体化の話も出てきており、マイナンバーカードを作らないという選択肢があるのか、お聞きしたいです

A 作らざるを得ない状況になるのは明らかだと思います

マイナバーカードを作るか否かを迷っている人はまだおられるようですね
これまでの普及率は82%(2026年3月末日現在)
これまで絶対持っておかないとっていうメリットがほとんどありませんでした
マイナンバーカード普及率最新

これまでのメリット

敢えてこれまでのメリットを挙げるとすると

1 本人確認書類になる
・顔写真付きの公的身分証明書として使える
・
運転免許証を持っていない人には特に便利
2 マイナンバーの証明が1枚でできる
・
税務、社会保障、行政手続きなどでマイナンバー確認+本人確認を同時にできる
3 コンビニで住民票などを取得できる
・住民票の写し、印鑑登録証明書などを役所に行かず取得可能
4 e-Taxが利用しやすい
・確定申告をオンラインで行える
5 マイナポータルが使える
・自分の行政手続き、税、年金、社会保障などの情報をオンラインで確認できる
6 マイナ保険証
・健康保険証として利用できるようになった
・過去の薬剤情報・健診情報などを医療機関と共有できる

3の住民票や印鑑証明が必要な機会はそんなにないでしょうし、4は確定申告しないサラリーマンには関係がない
5、6は無理やり感がありますよね

では、近ごろ開始されたサービスと今後予定されているサービスを見ていきましょう

今後のメリット

  1. 会社員の社会保険・税手続のワンストップ化
  2. 健康保険証・お薬手帳として利用できる
  3. 運転免許証として利用できる
  4. ハローワークカードとして利用できる
  5. 各種納税手続のデジタル化
  6. 社員証・学生証として利用可能に

など
まず挙げられるメリットとしては、年金と税金

社会保険(年金)と税

年金

年金関係ではすでに、基礎年金番号が分からない場合であっても、マイナンバーカードを提示すれば相談できたり、各種届出・申請についてもマイナンバーで行えるようになったほか、住所変更届や氏名変更届の届出が省略できるようになっています
また、各種届出・申請時に必要としていた課税証明書などの添付書類等が省略できるようにもなりました
基礎年金番号なんて覚えていないって方も多い中で、これは便利です

税金

さらに所得税関係ではサラリーマンが毎年行っている年末調整や確定申告で、便利になります。
2020年10月から、
毎年年末調整で行っていた、保険料の控除の手続きも、住宅ローンを組む際に必要な課税情報の申請も、マイナポータルからオンラインでできるようになっています
これまで、「生命保険会社からの控除証明書のはがきが見当たらないんですよ~」とか「住宅借入金等特別控除証明書、失くしちゃいました」なんていうこと、ありましたよね?
これからはマイナポータルからデータで受け取り、年調ソフト(国税庁が無料配付しているソフト)で勝手に計算してくれるので、楽ちんです
そして何より便利なのは、マイナポータルを使うと、氏名・住所・扶養親族などの控除申告書のデータは翌年以降も引き継がれるということ
サラリーマンにとっては、毎年の面倒な恒例行事が減るっていうのはありがたいです
また、確定申告が必要な方も源泉徴収票、年金、医療費、ふるさと納税、住宅取得控除関係などのデータ連携が進む予定です

健康保険証

次に、健康保険証やお薬手帳
以前は保険適用で病院の診察や手術を受ける場合、それぞれの健康保険組合などが発行する「国民健康保険被保険者証」というカードを持っていく必要がありました
この健康保険証とお薬手帳が一体化し、マイナ保険証となったのはご存じのとおり
今後は

・過去の診療・薬剤情報の共有
・健診情報の共有
・高額療養費制度の手続き簡素化
・医療機関での本人確認

など、医療分野での利用がさらに広がる方向です

マイナ健康保険証 カードリーダー
特に、「限度額適用認定証を事
前に取得する」といった手間を減らせるのは実用的ですね

将来的には過去の診療情報や感染症の予防接種の記録もスマホのアプリから見ることができるようにする構想のようですね

実現すれば病院の診察券、「お薬手帳」、手術歴など多様な情報がカードを使って確認可能になります
患者が便利になるだけではなく、医師側が過去の治療歴を見て診察できるようになれば医療の効率化にもつながりますよね

お国に管理されるのは絶対ヤダという方は

「こんな誘導策に騙されへんぞ!最終的には国民を管理しようとしているんだから、それこそがデメリットじゃないのか!」
騙されへんぞ!

まぁ、そう考える人はカードを作らなくていいでしょう
そもそも国は、国税と地方税と社会保険で国民を一元管理したいという考えでマイナンバーカードをスタートさせたのです

公式には
①公平・公正な社会の実現
②国民の利便性の向上
③行政の効率化
が目的とやんわり言っていますが、要は税と社会保障の一元管理が目的です
マイナンバーカードの目的

反対する人は「行政機関などから個人情報が漏れるじゃないか!」と言っていますが、私はそれは建前で「国に管理されたくない、個人の金の流れや税、社会保障をガラス張りにされたくない」というのが本音だと思っています
「所得や金融資産をできるだけ国に把握されたくない」
「迅速に様々なサービスを受けたい」
マイナンバーカードを作るか作らないかは、あなたにとって、この天秤でどちらが重くなるか、と言い換えられますね
マイナンバーのメリット・デメリット

他の先進諸国は個人の情報を完全に紐付けており、だからこそ、あのコロナ禍でもあれほど早く個人口座への送金が完了できたのです
あくまでも私見ですが、日本はもっと早くITを推進すべきで、マイナンバーカードもやるなら徹底的にやるべきだったと思っています

普及への流れは加速する

2026年7月21日に閣議決定された最新の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」でも、マイナンバーカードの普及・利用拡大が明確な重点項目として位置付けられています

先ほど触れたマイナンバーカードの活用分野は税金や医療だけではなく、引越しや死亡の手続きもワンストップでできるような形を目指しています。
例えば、引越しする場合、転出元・転出先の市役所や金融機関などで、
しなければならないことは結構多いですよね。
マイナンバーカード 引越しワンストップ
めちゃくちゃ多い!
これだけあると、必ず何か抜け落ちますよ笑
これら全てではなくても、マイナンバーカードである程度一括処理できたら、それは楽ですね。
家族が死亡した時も気が動転しているのに、やることは山ほどあります。
死亡届や銀行の口座停止、生命保険会社への連絡、健康保険・遺族年金の届け出などなど
これらも一括で終わらせられると非常に助かります
現在、自治体などで実証実験中ですから、近い将来マイナンバーカードを使って、ワンストップでできるようになるでしょう

スマホと一体化へ

政府が目指しているのは、

マイナンバーカードをスマホに「コピー」するというより、マイナンバーカードの本人確認・電子証明・属性証明の機能をスマホに搭載する

という仕組みです
したがって将来的には、「財布にマイナンバーカード」→「スマホが実質的なマイナンバーカード」という状態を目指しています

スマホだけで「本人確認」ができることが最大のポイントです

スマホには、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー、顔写真などを証明する「属性証明機能」を搭載できます
これを政府は「カード代替電磁的記録」と呼んでいます

例えば将来的には、「氏名・住所を証明してください」と言われたときに、マイナンバーカードを財布から出す必要がなく、スマホで証明するということが可能になります

そして、マイナ保険証もスマホで使えるようになります

つまり

財布の中に
・免許証
・マイナンバーカード
・健康保険証

という状態から

スマホ

にかなり集約できるわけです

つまり

「マイナンバーカードを家に忘れた!」

という場合でも、スマホがあれば対応できるという世界に近づいています

行政手続きをする機会は限られていますが、銀行や保険の手続き、不動産売買などの場面で本人確認をスマホマイナでするとなるとその利用シーンは格段に多くなります
政府は「カード代替電磁的記録」を民間企業が利用できる仕組みまで整備しています

マイナアプリに統合し、普及率100%へ

現在
・マイナポータルアプリ
・デジタル認証アプリ
・マイナンバーカード関連機能
などが分かれていますが、政府はこれらを統合して「マイナアプリ」として提供する方向です

要するに、「マイナンバー関連のアプリを一つにまとめる」方向です

財布からマイナスマホへ

政府は「マイナンバーカードの利用率を上げるために、スマホを入口にする」という戦略をかなり明確にしています
カードを持っている人を増やすから、スマホを持っている人が、日常的にマイナンバー機能を使うへ政策の重点が変わっていることに注目しなければなりません
日本人のほぼ全員がスマホを持つようになれば

「マイナンバーカードを持っているけど使わない」

という状態から

「スマホに入っているから、意識せずマイナンバーを使う」

という状態にもっていけます

マイナンバーカードでできること

日本が目指しているのは、IT先進国エストニア
日本人にはあまりなじみのない国かもしれませんが、Skype(スカイプ)発祥の地で有名です
この国では、e-IDカードで結婚、出産、引越し、税務申告から投票までこれ一枚でできるというのですから、驚きでしかありません 

日本ではコロナワクチンの接種を巡って、予約方法、順番、キャンセル時の取扱いなど混乱を極めました
中国を賛美するつもりはありませんが、コロナワクチンの接種対応でも中国にリードされているのはなぜでしょう
中国では、中国版マイナンバーカードである「国民IDカード」の全国民への登録・所持を1980年代から取り組み、現在ではそれが徹底できているから
このカード1枚で、位置情報からワクチン接種までオンライン上で連携できますから、非常にスムーズに接種が進みました
対する日本は、マイナンバーカードの普及が進まず、隣接する市町村のデータ連携すら出来ていません

世界を見渡すと、マイナンバーカードが銀行口座開設の条件となっているなど、マイナンバーカードは、もはや重要なインフラの一つなんですね
これは電子化をしないと行政コストが増え、ひいては税金に跳ね返ることをみんなが認識しているから

マイナンバーカードの申請を躊躇する大きな理由は
●個人情報漏洩が心配
●メリットがよく分からない
の2点

政府がすべきことは、マイナンバーカードが便利だよと広報するだけではなく、国民に対してマイナンバーを知られると危険だという誤解を丁寧に解くこと
それとともに、「マイナンバーとはどのようなもので、どう活かし、どう規制するか」といった共通認識を国民との間でもっと醸成する努力をしてほしいと、私は思います

問い合わせ 入口基本ver 辻元税理士事務所
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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