医療費控除 「生計を一にする」ってなんだ?

医療費控除用紙

Q1 夫婦共働きなのですが、医療費をまとめて申告することはできますか。
Q2 私は自営業を営む青色申告者で、妻を青色事業専従者にしています。妻が病気で入院したため、その費用を私が支払いました。この医療費は私の医療費控除に含めていいですか。
Q3  郷里で一人暮らしをしている母親に仕送りしています。母親の医療費を私の申告の医療費控除に含めていいですか。
Q4 5月に娘が結婚しました。結婚前には同居していたのですが、同居中に私が支払っていた娘の医療費を私の申告の医療費控除に含めることはできますか。

 A すべて「できます」。

医療費については、自分が去年に医者にかかった費用だけしか医療費控除をすることができないと考えている方が多いですね。
しかし、税法上「生計を一にする」配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合も医療費控除に含めていいことになっています(所得税法73条)。

「生計を一にする」って、どういうこと?

これは、必ずしも一つ屋根の下に住んでいる必要はなく、例えば単身赴任や下宿をしていても、生活費が同じ財布から出ているのであれば「生計を一にする」ことになるわけです(所得税基本通達2-47)。

生活費が同じ財布から出ているのであれば「生計を一にする」ことになる

Q1の夫婦共働きの場合は、まとめて申告できます。
この時、最も医療費控除額を多く、つまり税金を少なくしようとすれば、生計を一にする親族の中で一番所得の多い人が医療費控除を受けるのがいいでしょう。

Q2の青色専従事業者の妻のために支払った医療費ですが、法律上、「配偶者に事業専従者は含まない」とはどこにも書かれていませんので、夫の医療費控除に含めてかまいません。

Q3の郷里で暮らす母親も、同居はしていませんが、子供であるあなたの仕送りで生活費をまかなっているのであれば、その医療費はあなたの医療費控除に含めてかまいません。

Q4の質問は、医療費を支払った時期の話ですね。いつ支払った医療費が医療費控除に含まれるのか。
その判定時期は、その時の状況によりますよと規定されています(所得税基本通達73-2)。ご質問のように、娘の結婚前にあなたが娘のために支払った医療費の支払い時期は、「生計を一にする」時期ですので、あなたの医療費控除に含めてかまいません。
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