開業前にかかった費用も経費になる!~スタートアップから節税せよ~

打合せしている人たち

Q 脱サラして、これから個人事業を始めようと思っています。開業前の準備期間でセミナーに参加したり、業者と打合せをしたり、備品を買ったり、色々支出したのですが、これらは経費にできるのでしょうか

A 開業前の準備期間で支出した経費は、「開業費」という項目1つにまとめて費用化していくことができます

「開業費」とは事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいいます
「特別に」とは言っても、広く経費として認められています
まず、開業準備に使った費用って、いつまで遡れるんでしょう?

開業費っていつまで?

法律上は何の定めもありませんから、開業する5年前の費用でも10年前の費用でも開業のために使ったのであれば、開業費にできます
でも、5年も10年も準備しているって通常は考えにくいですよね

税務調査でこういう開業費に出くわしたら、私なら相当エビデンスを求めるでしょうね
通常は1年以内に収まるのが常識的範囲なのでしょう

開業前の出費は一旦「開業費」に

具体的に開業費にできるものを挙げていきましょう

開業費になるもの

  • テナントの賃借料
  • 電気、水道、ガスなどの光熱費
  • 電話、インターネットなどの通信費
  • 文房具などの消耗品
  • 許認可取得のための費用
  • ホームページ作成費、チラシなどの広告宣伝費
  • 業者との打ち合わせや接待等などの会議費、交通費

このような経費を一旦、「開業費」という資産に計上します
「開業費」って「費」ってついてるから「交際費」みたいに経費じゃないの?
そうなんです
「費」ってついてるのに、開業前の段階では経費にならないんです
一時的に「建物」とかと同じような「資産」として計上し、これを減価償却のように徐々に経費化していくのです

開業費にしてはいけないもの

開業前に支払ったといっても、開業費にしてはいけないものもあります
例えば、次のようなものは別の勘定科目で処理します

商品の仕入れ

開業後に売るための商品を仕入れた場合は「仕入」になります
売上げに対してその原価になるものですから、開業費のように一旦資産に計上する必要はありません

10万円以上の物品の購入費

白色申告の場合は10万円、青色申告の場合は30万円以上の物品
たとえば、車やパソコン、複合機、応接セットなどですね
これらは車なら「車両運搬具」、パソコンや複合機なら「機械装置」、応接セットなら「工具器具備品」といった固定資産に計上します
これをそれぞれの耐用年数に応じて、車なら6年(軽自動車は4年)、パソコンなら4年、応接セットなら8年かけて「減価償却費」という科目で徐々に経費化します
内装工事やリフォームをした場合も、この減価償却資産に含めないといけません

敷金や保証金

事務所を借りた際の敷金や保証金は、返還される場合と返還されない場合があります
これは賃貸契約書に記載がありますので、確認してください
まず、返還される場合は現時点でも将来的にも経費じゃありませんよね
ただ、預けているだけです
ですから、「敷金」「差入保証金」あるいは「預け金」といった資産科目に計上してください
次に、返還されない場合は、次の礼金と同じ扱いになります

礼金

礼金は金額によって扱いが異なります
20万円未満なら「地代家賃」として月々の家賃と同じように経費にしてください
20万円以上なら「長期前払費用」という資産、これも「費用」とつきながら「資産」なんですけど、一時的に資産に計上します
そこから契約期間に応じて償却(経費化)していきます
例えば、2年契約で30万円支払った場合、
開業時には長期前払費用30万円/現金30万円(資産計上)
初年度に 支払手数料 15万円/長期前払費用15万円(経費化)
2年目も同じ仕訳で15万円を経費化です

なぜ20万円未満と以上で区分されているかと言うと、「20万円未満なら大したことねぇから、経費にしていいよ」というルール(重要性の原則)があるからなんですね
ちなみに、消費税の取扱いですが、返還されないものは課税仕入れになり、返還されるものは課税対象外です

開業前の経費は「開業費」として資産計上し、徐々に経費化

経費化する方法は以下の2通り

  1. 5年の均等償却
  2. 任意償却(毎年の償却金額及び期間を自由に決められる償却方法)

2の任意償却というのは、今年は黒字になりそうだから経費化しようという風に、事業者が自由に経費化のタイミングを決められるのです
したがって、開業当初から黒字になるような場合は、開業費を全額経費化してもかまいません
例えば、開業費として合計で100万円かかったとしますと、100万円全額をその年の経費にしてもかまいませんし、そのうち30万円だけを経費とすることもできます
いくらの金額を経費に計上するかは、確定申告の際の決算書に金額を記載することとなります

開業前にかかった費用、例えばamazonとか楽天で買ったもの、経費に付け漏れてないですか?


問い合わせ 入口基本ver 辻元税理士事務所
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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