日本の税金を見直そうぜ!消費税・ガソリン税…

世界の税金反対デモ

Q 飲食店を経営しています。コロナ禍でテイクアウトを始めましたが、消費税の軽減税率がややこしくて仕方ありません。こんなのいつまで続くんですかね。

A いつまで軽減税率が続くかは分かりませんが、おかしな税制ですね。

2019年10月に消費税の増税が始まりました。同時に軽減税率という制度も導入されました。
私も国税マン時代に何度も研修を受け、何度か納税者の皆さんに研修もしましたが、まぁ面倒くさい制度です。
消費税の軽減税率対象
酒類や外食を除く飲食料品などには、消費税率10%ではなく、8%という軽い税率で良いというのが消費税の軽減税率。
例えば、ティーカップと紅茶をセットで売る場合、軽減税率にできると思います?
紅茶は飲食料品ですよね。だから、紅茶だけを買って帰ったら軽減税率の対象です。
でも、ティーカップは食料品じゃない。
これ、商品の税抜き価格が1万円以下で、紅茶価格の商品総額に占める割合が2/3以上なら軽減税率の対象になるんです。

ややこしい!

そもそも、消費税って取引課税なんですね。
「売上げ」と「仕入れ」は別の取引と考える。
つまり、仕入れは10%の税率で売上げは8%の軽減税率っていうことが起こりうるし、その逆もある。
普通、「売上げ」と「仕入れ」はひも付きで考えるでしょ?

こんなの財務省もしたくなかったと思いますけど、国民のことを第一に考えようなんてことをどこかの党が言い出すから、仕方なく導入したんです。
非課税取引とか、課税売上割合とか、私自身大嫌いです。
分かりにくくてアホなシステムです。

世界のアホな税金

世界にはアホな税金が結構あります。

有名なところでは中国の「月餅税」。
げっぺい税って読むんですけど、中国では旧暦の8月15日の中秋節に月餅っていう菓子を食べる習慣があるんですね。
中国の月餅
あれだけの人口がみんな月餅食べるわけですから、すごい数です。

そこで、「めっちゃ財源になるやん」と考えた政府は2011年に4,000円買ったら600円の月餅税払うんやで~と課税を始めたそうです。
中国全土で月餅税拒否運動が起こり、「もう月餅は食べないからな!」と猛反発したらしいです。
そんなに月餅を食べたかったんですねぇ…。

アメリカの一部の州では「ソーダ税」なんていう税が導入されてます。
これは「炭酸飲料が肥満の原因になるから、2リットルのファンタを買ったら税金70円を払ってね」とカリフォルニアバークレーなどで導入。
この結果、ソーダの消費量が20%抑えられて、肥満にならずに良かったやん!と他の地域にも広がっているらしいです。
ソーダくらい飲ませてあげればいいのに、とは思いますが、よく考えたら日本のたばこ税も似たようなもんですね。

カナダでは、ドーナツの店内食かテイクアウトかの判断基準を一人当たりの個数で決めているそうです。
6個以上ならテイクアウト扱いで軽減税率、5個以内ならテイクアウトでも店内食扱いで標準税率。
さすがにギャル曽根じゃないんだから、6個以上も店内で食べられないだろうと。
でも、カナダの学生たちはドーナツショップ前で見ず知らずの人と6人集まって、一緒に買って堂々と店内で食べているらしいです。

昔の京都で、家の間口の広さで税金をかけたら、間口の狭い「ウナギの寝床」と呼ばれる京町屋がたくさんできたって話を思い出しました。
京都町屋 鰻の寝床

どこまでいっても、いたちごっこなんですよ。こういうのは。

取りやすいところから取る

昔から税金というのは、公平・簡素・中立が大原則
でも、それだけじゃない。
取りやすいところから取るということも、真実。

日本のたばこ税は、健康に良くないからという理由で税率を上げるということがずっと続いています。
今やたばこの値段の半分以上税金です。
たばこ一箱の税金内訳
(JTのHPより引用)
でもね、健康に良くないとか、精神衛生上良くないものなんて、他にもたくさんありますよ。
コーヒーやコーラだってそう。

食品以外でもパチンコなんて、ギャンブル中毒になる確率が高いってことで発祥の地・韓国では廃止されたのに、日本ではOKです。
大阪でカジノを作るって言ったら、ギャンブル中毒になる人が出るからという理由で反対している人がいましたが、その前にパチンコだろ!と感じたのは私だけでしょうか。

コロナ禍で値上げが続くガソリンはどうでしょう。
ガソリンの税金内訳
レギュラーガソリンの値段、リッター170円って高すぎるでしょ?
でも、本体はたった98円です。つまりガソリン本体の40%近くが税金
しかも、ガソリン税という税金に消費税を課しているっていう二重課税
あまりに高すぎるということで、「トリガー条項」を発動せよって声が上がり始めました。
「トリガー条項」は、レギュラーガソリンの価格が3か月連続で1リットル160円を上回った場合、翌月からガソリン税の上乗せ分(25.1円/1リットル)の課税を一時的に差し引くという2010年に導入されたルール。
「東日本大震災があったから一時的に凍結しており、ムニャムニャ…」(某政治家)
早くルール通りに下げてあげないと、日本中の農業や漁業、運送業なんていう油をたくさん使う業種の方は壊滅状態になってしまいますよ。

何が言いたいかというと、税金って「ええ加減にせえよ!」って声が上がりにくいところからシレ~っと取ってるってこと。
たばこ愛煙家は、「たばこは健康に良くないし、臭い!副流煙があるからあっち行って!」という嫌煙家の意見もあって、大っぴらに声を上げにくい。
ガソリンも、二重課税になっていることやここまで税金がかかっていることを知らない人が多い。
給料にかかる源泉所得税じゃないですけど、知らない間に取られているから、反対の声が盛り上がらない。
逆に、政治的に影響を及ぼす団体から反対されるようなものには手を付けない。
それをうまくコントロールするのが政治家の仕事だと思いますが、票の力には勝てないという悪しき慣習が日本の税制や社会保険制度を歪めてしまっているんですね。

日本の税金は難しい

もう一度言いますが、税金は、公平・簡素・中立が大原則。
日本の税制はどうでしょう?
簡単ですか?
税理士の私でも四苦八苦しているんですけど。
相続税なんか、相続税法だけを勉強しても全くダメです。
税法の上に租税特別措置法という「一時的に細かいルール作ったから、これに従ってね💛」っていうものが乗っかっていて、これを駆使しないと、とても実務では太刀打ちできないようになっています。
ご質問者が面倒だと感じる消費税の軽減税率もそうですが、これはマズいなという税制は改良していき、誰もが納得できる簡単な税制にしてほしいものです。
問い合わせ 入口基本ver 辻元税理士事務所
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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