コロナの影響なら税金は待ってもらえる

税務署・市役所・年金機構

Q 会社を経営しています。3月決算なので、5月末に法人税や消費税の申告期限が来ます。
   コロナの影響で、資金繰りが厳しく、とても税金を納められる状況ではありません。
   何とかならないものでしょうか。

A 納税の猶予制度が使えます。国税だけでなく、市民税、社会保険料も同じく納付を待ってもらえます。

 コロナの影響で、いよいよ経済へのダメージが大きくなってきています。
 中小企業や個人事業者の資金繰りは、借入を増やさないと立ち行かないところまで来ており、税金や公共料金、学費などをどうやって工面したらいいのか、困っていらっしゃる方も多いと思います。
 今回のブログは、コロナで苦しけりゃ税金や社会保険はちょっと待ってもらえるというテーマ。

 国税庁は4月30日に「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律猶予制度」(長い!)が成立したことに伴い、「税金を持ってもらえる場合はこんな場合」っていう情報をリリースしました。

 まず、「コロナの影響で税金を待ってくれる」って具体的にどういう場合?

 これ、かなり幅広く認めてくれてます。
 基本的には、

  • 令和2年2月1日以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期と比べて概ね 20%以上減少していること。
  • 一時に納税することが困難であること。 担保は不要

 この2点。これは原則で、仮に今20%以上減少していなくても、今後どんどん減少しそうだ!でもオーケー。
 令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する国税なら待ってくれることが確定しています。

 しかも、「特例猶予」と言って、延滞税もかからない。税金待ってくれて、延滞税、つまり利息がかからないって素晴らしい。

コロナ影響で待ってくれる税金に延滞税はかからない

 注意点があるとすれば、もう払っちゃった税金、例えば「3月の確定申告で納めた所得税」とか、「12月決算の会社の法人税や消費税で2月末に払った分を今から返してくれ、その上で猶予してくれ!」っていうのはダメ

 それから、「給料が下がって苦しいから、そこから天引きされる源泉所得税を猶予してくれ!」もダメ

 すでに払った分や申告してないものはダメだけれども、申告していて(あるいはこれから申告をして)その税金がコロナで払えないということであれば、フリーランスでもパートやアルバイトでも、納める税金を待ってくれ!と言えます。

 しかも、確定申告分だけでなく、中間申告分や修正申告分などでも猶予を受けられるということなので、これから消費税の中間申告がある方などは使えますよね。

 ここまで、紹介してきたとおり、かなり太っ腹な対応であることは間違いないでしょう。
納税の猶予パンフ001
納税の猶予パンフ002

 では、この「納税の猶予制度」を 「どのように」「いつまでに」申請すればよいか。

 まず、「どのように」
 所轄の税務署に「換価の猶予の申請手続き」をしてください。

 手続きに必要な書類はこちら

 そうそう、3密を避けるために税務署に行くのはやめましょうね。税理士さんに頼んでe-taxで送信するか、郵送するか、どちらかにしてください。
 

 次に、「いつまでに」
 申請による換価の猶予については、納期限から6か月までに申請する必要があります
 と言っても、納期限翌日から申請書を提出した日までは延滞税がかかってしまうので、できる限り早く、猶予の申請をしましょう。

 最後に「猶予された税金はいつまでに払えばいい?」
 コロナの特例猶予の場合には、猶予期間中(原則1年間)の任意の時期に納付できます (分割納付をすることもできます。)。
つまり、少なくとも1年は待ってくれ

 さて、今回は国税の猶予についてご紹介しましたが、地方税も社会保険料も納めるのを待ってくれます。
 税務署で猶予の申請が許可されたら、その「猶予許可通知書」を添付すれば、市民税や社会保険料もスムーズに許可されるらしいですが、とりあえず必ず申請はしなければなりません。
納税の猶予申請書001
納税の猶予申請書002

地方税も社会保険料も待ってくれる。ただし、申請は必要!

 もっと詳しいことが知りたい方は、それぞれ以下に問い合わせてください。

 国税(所得税・法人税・消費税など)⇒国税局猶予相談センター
 地方税(市県民税・固定資産税・自動車税など)⇒都道府県や市区町村の担当窓口
 社会保険料のうち厚生年金保険料等⇒日本年金機構
         労働保険料⇒都道府県労働局

 コロナを生き延びるために、今ある制度やルールをまず知ること。
そして、これらを全て使いましょう。

問い合わせ 入口基本ver 辻元税理士事務所
国税OB税理士による税務調査対策グループ

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